怒りが止まらない-認知_兆し#5-
母ぴろこの老いを感じ始めの頃、『えええ!? これ大丈夫??』
と意識づけられた出来事は、2年程前の9月に母ぴろこに激怒された事でした。
激怒も激怒。激オコMAXでした。
その頃は、決まった時刻にご飯を食べたがったり、段ボールゴミが出たら「即」自転車に乗って、近所の回収ボックスに捨てに行っていましたし、怒りが急に爆発するようになってきていた事は感じていましたが、この出来事は、無かった事にはできないほど衝撃的でした。
激怒の原因は・・・。
私が、母ぴろこの大好物「551の豚まん」を買ってくる事を忘れた事でした。。
もちろん、私が悪いです。
前日に「今、デパ地下に551来てるから、明日買ってくるね」と宣言していた為、『”言語リハビリの日は疲れるから、豚まん楽しみ♪”と思っていたのに、せっちゃん(次女の私)が約束の551を買ってこなかった!!』という怒りが、まさに怒髪冠を衝く状態。
私は、その日に限って仕事が妙に忙しくプチ残業。ボーーーーっとしてデパートを通り過ぎて電車に乗ってしまっていました。
玄関先にまで出て待っていた母ぴろこに
「あ、ごめんごめん。買ってくるの忘れた。明日買ってくるわ」かる〜く謝罪。
すると・・
室内に戻るとスッと表情が消え、鬼の形相で机をバンバン叩きながら
「間に合わへん!間に合わへん!!」(役に立たないという意)
「あ、じゃまだデパート開いてるから、買って戻ってくるわ」
電車に飛び乗り、往復30分ほどで帰宅。
「買ってきたよー」
母ぴろこは玄関まで出てきて、まだ鬼に形相で
「間に合わへん!!間に合わへん!!」
「いらん!!持って帰れ!!持って帰れ!!」
と、豚まんを突き返してきてブチギレ
いつも無関心な父一郎も、さすがに
「何でそんな事言うんや。ありがとうってもらえばええやろ。明日食べたらええやないか。。」と半泣き涙
私は、今ほど冷静に受け止められなかったので、いろんな意味で
ガーーーーーーーーン。。。
そんなに怒らんでも・・・
ガーーーーーーーーン。。。
顔がめっちゃ真剣やった・・・
ガーーーーーーーーン。。。
やっぱり私はダメなんや・・・
かなり動揺して、ショックを受けて実家を後にしました。涙
翌日、出勤時に父一郎に電話をして
「もう、しばらく実家には帰らない。どうしても必要な事が出来たら、連絡して。お母ちゃんは私の事をあまり良く思ってないから。姉ちゃんに色々やってもらって」
と言い渡し、1ヶ月ほど、実家には連絡を取らず立ち寄りませんでした。
老人の怒りの対応方法
この時既に、色々と関連図書を読んだり、ググったりもしましたが、対応方法はただ1つ
一旦、距離をとる。見えない場所に移動する との事です。
これ、老人の対応方法というよりも、一般的な対応方法とも思います。
認知症の度合いが進んでいたりすると、沸点に触れて怒りが爆発しても、その怒りもしばらくすると忘れてしまうという事もあるようですね。
私も、言語療法士さんからだったか、姉からだったかに聞いたのですが、母ぴろこも、「怒りを抑えられない、コントロールができなくなってきた」と言ったことがあるようで、自覚はあるようでした。
認知機能が少し低下していても、今まで通りしっかりしている意識のときも多いので、本人にとっても、もどかしいというか、ツラいというか。。バツが悪い気持ちもあるようです。
私自身も、父一郎に一旦決別宣言をしたので引っ込みがつかず、実家と1か月くらいは連絡をとりませんでしたが・・
母ぴろこの様子が気になり、我慢できず、言語療法士さんにこの豚まん事件を説明し、その事について母がどう思っているのかを聞いてもらったりしました。
母ぴろこは、言語療法士さんに「娘とケンカした」と説明したようでした。
ケンカというか一方的だったけど・・自分が一方的に怒りつけたとは説明しませんね笑
この豚まん事件の雪解けは、事件一月後に父から
「お母ちゃんが、”祭りやし、みんなでオードブルを食べる”といって、お母ちゃんが自分で弁当を注文したから帰ってこい」
と父一郎から電話があり、1か月ぶりでしたが、まるで何事もなかったかのように家族全員で食卓を囲みました。
自分で弁当を注文した辺りは、不器用な母ぴろこの愛情や優しさを感じました。
お互い似た者同士、親子ですな~。笑
私達、不器用やもんなー、なー、ぴろこ♪
うちの家族構成・登場人物
父 一郎:盆栽・金魚を愛する超マイペース。
母 ぴろ子:猪突猛進 なんでも力ずくでやり遂げます!
姉 はな子:おっとりと見せて、冷静なかしこ。 実家から2時間の隣県在住
私 せつ子:しっかりと見せて、詰めの甘い繊細さん。実家の近くに在住。